2005年07月09日

ダイスをころがせ!

今日は久々に書評なんぞ。

今日の本は、「ダイスを転がせ!」です。
作者は真保裕一氏。織田裕二さん主演で映画化された「ホワイトアウト」原作者です。

タイトルだけだとどんな話か分からないのですが、内容は選挙のお話なのです。
あらすじとしては、こんな感じ。


ここに仕事上のトラブルで子会社へ出向になり、結果退職をして現在職探し中の男がいる。
そこへ、高校時代のライバルであり、親友だった男がやってきた。
地元静岡で衆院選への立候補を考えている。しかも無所属で戦う、と言う。
その選挙に向け自分の秘書になってくれ、と言うのである。

よくよく話を聞いてみると、自分の出向の原因となったトラブルに、その友人は関与していた。裏には何か事件があるらしい・・・。
妻とも上手く行っていなかった主人公は、悩んだ末に「衆院選が終わるまで」の限定で選挙をともに戦う決意をする。そこにはトラブルの原因となったウラを調べたい、と言う意図と共に、人生の次のステップへ進むために今一度熱さを取り戻したい、主人公の葛藤が垣間見える。

そして数々の事件、トラブルに見舞われながら支持者を増やし、当選に向け道を進む・・・と言うのが簡単なあらすじ。


選挙に向けた準備運動、そして本番の選挙戦・・・「取材の鬼」真保氏の筆力により、非常に臨場感があり、かつスピード感に溢れている本書。おかげで、通勤の電車では寝ることにしているぴあす。も寝ることを忘れ、一刻も早く次を見たい、今後が知りたい気持ちになってしまいました。
やはりこのスピード感、テンポのよさは真保氏の持ち味です。

読み進めていくと、実際の選挙の仕組みや法制度など、あまりに政党寄りになってしまっている日本の現状がよく分かります。小難しい政治関連の本やテレビの報道を見るより、基礎知識だけであればこっちのほうがラクに頭に入るかもしれません(笑)。

また、この小説の舞台となっている選挙は、2000年に行われた衆議院選挙です。
このときは、時の小渕首相が亡くなり、森首相になって初の総選挙でした。
僕は大学3年、縁があり地元の隣の選挙区から立候補した候補の選挙を手伝いました。
もちろん小説を事実と並べるのは無理があります。しかし、自分も戦った(つもりの)総選挙をこの主人公達も戦い抜いた、と言うのは個人的にとても身近に感じられてしまうのです、主人公達のことを。

この小説に出てくる言葉で印象に残ったのは、「法律や政治家が悪いと言う前に、何も変わらないと言い訳をして投票に行かない一般市民が一番問題なのではないか」と言うこと。

おっしゃるとおりです。

良くも悪くも、政治家を選んでいるのは私達なんですよ。票を勝ち取れなければ彼らも何も出来ないわけです。だから、報道を見て「政治家が悪い」「政治が変わらなければ日本は変わらない」という人もいますが、それは違うと思うのです。我々が投票に行き、アクションを起こして現在の政治に、既成政党に「No!」と言わない限り根本から変わることはあり得ません。
(注・別に僕はどの党の支持者でもないですし、強力に反発する政党があるわけでもありません)

自分達の、日本の未来を選ぶのは自らの持つ1票なのです。確かに自分ひとりが投票しなくたって大勢に影響ないかもしれません。でも、動くことをしなければ何かが変わることはあり得ないのです。

こんな真面目なことまで考えさせてくれるこの小説「ダイスを転がせ!」、ぜひ皆さんにも読んでほしいと思います。

<ぴあす。の採点表>満点は☆5つ
「ダイスを転がせ!」:☆☆☆☆☆exclamation×2
やはり真保小説は最高です!
posted by ぴあす。 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/4953382

この記事へのトラックバック

ダイスをころがせ!
Excerpt:   真保裕一著、情熱系エンターテイメント「ダイスをころがせ!」 青春小説の新たなかたちが、ここにある。 職を失い妻子とは現在別居中。駒井健一郎34歳はどん底にいた。 ある日、高校時代のライバル・天知..
Weblog: ☆ up-fieldのらくがき帳 ☆
Tracked: 2005-07-24 12:23
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。